テレビが人を検診に動かすとき ―「トリセツショー」と大統領効果
- ドクターコラム
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NHK「あしたが変わるトリセツショー」で、大腸がん検診の受診率をあげるにはどうするかという内容が、放送されました。
放送では、街をあげてお祭りのようにして大きく周知し、その際に大腸がんについて啓蒙し、受診を考える人が多くなったその時に、健診キットが手元にくるように自治体が配る
という手法が紹介されていました。
この放送の後に、NHKと自治体によっては本当に検便キットが届くところもあり、面白いなと思いました。
少し昔の話ですが、1985年、アメリカのレーガン大統領は便潜血反応が陽性となり、その後の大腸の検査で大腸がんが見つかっています。
面白いのはその後です。
大統領の大腸がんが大きく報道されると、アメリカでは大腸がんについての問い合わせや検診を受ける人が一気に増えました。後に「Presidential effect(大統領効果)」として研究されたほどです。
今回NHKが大腸がん検診を大きく取り上げたことで、検診の受診率があがるかと思われます。
大腸がん検診は、便を出して、付属のギザギザした棒に表面をこすりつけるようにしてとり提出するというものです。2日間にわけて2回とります。
ここで実際にとるときになったときに困るのですが、どこに便を出すのかという問題です。
調べると便器の手前にトイレットペーパーをひいて、その上に出すのが一般的のようです。
ですが、普段やりなれない行為なので、すこしドキドキします。
その辺に、受診率の低さがあるような気もします。
検便での発見は早期がんが6割ですが、症状があっての発見は、8割が進行がんという報告もあります。
進行がんの中には、転移を伴うstage4の大腸がんも含まれます。
大腸がんのstage4の生存率は、転移を伴わないstage1、2、3の生存率と大きく異なります。
転移をおこす進行大腸がんになる前に、発見治療することが、何より大切です。
交野市では40歳以上の方が大腸がん検診を受けられます。
テレビで見て少し気になった、くらいが案外ちょうどいい受診のきっかけなのかもしれません。
レーガン大統領が、大腸がんの検便受診率をあげたように、アメリカのトランプ大統領が何の病気になるかわかりませんが、その病気を世間に知らせることが、彼の一番の仕事になるかもしれません。