予防接種ワクチン案内

交野市の助成で接種できるワクチン

対象の方には市からはがきが届きます

インフルエンザワクチン毎年秋〜冬に接種 年1回

毎年流行するインフルエンザを予防するワクチンです。流行するウイルスの型に合わせて毎年製造されるため、毎年の接種が大切です。

交野市の助成対象

65歳以上の交野市在住の方

1,000円(市の助成により割引)

  • 接種時の持参物:本人確認書類のみ(はがき不要・マイナンバーカードなど)
  • 毎年10月1日から接種開始。実施期間は翌年1月31日まで。
  • 65歳未満の方も自費で接種できます。詳しくはお電話でご確認ください。

帯状疱疹ワクチン令和7年度〜 新制度スタート

子どもの頃の水ぼうそうのウイルスが体内に潜み、免疫力が落ちたときに再び活動して発症する病気です。強い痛みをともなう発疹が現れ、後遺症(帯状疱疹後神経痛)が長く続くこともあります。

70歳代での発症が最も多く、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。

令和8年度の助成対象(交野市在住の方)

令和8年4月2日〜令和9年4月1日の間に
65・70・75・80・85・90・95・100歳になる方

  • 助成が受けられるのは生涯で1回のみです
  • はがきが届いていない方は助成が受けられません。
    4月上旬に対象の方へ自動的に郵送されます。はがきをお持ちになってご連絡ください。

ワクチンの種類

どちらか1種類を選んで接種します。接種時に医師がご説明します。

種類 回数 助成後費用
生ワクチン(ビケン) 1回 3,000円
組換えワクチン(シングリックス) 2回(2ヶ月以上の間隔) 7,500円 ×2回

生ワクチンは、病気・治療で免疫が低下している方には使えない場合があります。

接種の流れ

  1. 4月上旬に市からはがきが届く

    「交野市高齢者帯状疱疹定期予防接種のお知らせ」が届いたら大切に保管してください。

  2. 当院にお電話でご予約

    TEL:072-893-8484(診療時間内)

  3. はがきと身分証を持って来院

    はがき+マイナンバーカード

  4. 接種完了

    組換えワクチン(シングリックス)の方は、2ヶ月以上後に2回目の接種にお越しください。

肺炎球菌ワクチン令和8年度〜 ワクチン新しくなりました

肺炎球菌は肺炎・菌血症などを引き起こす細菌です。高齢の方ほど重症化しやすく、特に注意が必要です。

令和8年4月から新しいワクチン(プレベナー20)になりました。1回の接種で長期的な効果が期待でき、以前のように5年ごとの打ち直しは不要です。

交野市の助成対象

65歳の交野市在住の方のみ

2,000円1回で完了

  • 65歳の誕生日月の前月にはがきが届きます
  • 公費接種は一生に1回のみ

注意事項

過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は対象外です。接種前にお電話でご相談ください。

接種の流れ

  1. 65歳の誕生日月の前月にはがきが届く

    「高齢者肺炎球菌定期予防接種のお知らせ」が届いたらご連絡ください。

  2. 当院にお電話でご予約

    TEL:072-893-8484(診療時間内)

  3. はがきと身分証を持って来院・接種完了

    1回の接種で終了です。追加接種は不要です。

新型コロナワクチン毎年秋から 年1回(B類定期接種)

2024年4月より定期接種(B類疾病・年1回・秋冬)として実施されています。重症化予防の効果が認められています。

交野市の定期接種対象

65歳以上の交野市在住の方

5,500円年1回

  • 接種時の持参物:本人確認書類のみ(マイナンバーカードなど)
  • 実施期間:毎年10月1日〜翌年3月31日ごろ
  • 定期接種対象外の方も自費で接種できます。詳しくはお電話でご確認ください。

その他のワクチン(自費接種)

上記の交野市助成ワクチン以外にも、自費で接種できるワクチンをご用意しています。在庫状況・費用など、お気軽にお電話でご確認ください。

B型肝炎ワクチン3回接種

B型肝炎ウイルスへの感染を予防します。3回の接種(0・1・6ヶ月の間隔)で長期的な免疫を獲得できます。

MRワクチン(麻疹・風疹)任意接種

麻疹(はしか)と風疹を予防します。免疫が不十分な方、妊娠を希望する女性(妊娠前)にも推奨されます。

おたふくかぜワクチン任意接種

流行性耳下腺炎を予防します。成人での感染は重症化しやすいため、免疫がない方への接種をお勧めします。

接種前にご確認ください

  • 体調が悪い日(発熱・体調不良)は接種を控えてください
  • 服用中のお薬がある方はお薬手帳をお持ちください
  • アレルギーがある方は事前にお申し出ください
  • 接種後30分程度は院内またはその付近でお過ごしください
  • 当日の激しい運動・多量の飲酒はお避けください
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある方は必ずお申し出ください

医食同源(2)高血圧と味噌・醤油について

高血圧を下げる目的で薬を飲むことも降圧方法として良い手段ではありますが、服薬のみで十分に血圧を下げることにはいささか無理があります。特に我々日本人独特の食生活が「脳卒中多発国日本」の源であるような気もします。服薬以外の血圧降下に有効なものとしてAHA(アメリカ高血圧学会)は体重のコントロールが一番大切であり、その次に塩分の制限やカリウムの摂取(主に果物や野菜から摂ること)を勧め、さらに運動療法を挙げている。今回は塩分制限の一環としての味噌・醤油の摂り方について勉強してみます。

われわれの食生活に古くより取り入れられ馴染んできた味噌と醤油は昔は不可欠の栄養食品でありました。舌に馴染んだ味でもあります。しかし現在ではその「塩害」がいささか気になります。口にしないでおくのは忍びないが控える対象です。

塩と蒸し大豆と麹を混ぜて樽などに寝かせて発酵させたものが味噌ですが、その折上澄みとして湧き上がってくるのがいわゆる醤(たまり)でこれに塩や香味料を加えたのが醤油となるいわば双子の関係でどちらも塩分をたっぷりと含んでいます。

古くからアジアでは稲作を中心に農業を営んできましたが米から蛋白質などの栄養素を補うことは不可能でした。従って畔道にも植えられる大豆(畔豆)が米とコンビになって蛋白補給源となったのは必然の知恵でした。東南アジアでは灌漑用水路の小魚を米と混ぜ保存食としたのが魚醤の源です。ベトナムのニョクナム、タイのナンプラーなど有名で、日本にも秋田のハタハタを使ったしょっつる、能登のいしり(いか)、いしる(鰯)があります。

人間は生命や体を維持する蛋白質を補うため種々のアミノ酸を摂る必要があり、知らず知らずのうちに体得した知恵が味噌や醤油の原点だったと思われます。

アミノ酸を多くつなぎ合わせてペプチドを作りそれがまたつなぎ合わさったものが蛋白質です。人体の蛋白形成には20種類近くのアミノ酸が必要ですがこの内どうしても不可欠のアミノ酸10種類前後を必須アミノ酸と呼びます。大豆はその必須アミノ酸をほぼ100%含む良質の蛋白源であり、米と混ぜて食べる味噌は立派な栄養食品となる訳です。又この味噌の上澄みとして出来る醤油には発酵する過程で香りや旨みが加わり美味しい調味料となった訳です。大豆と塩と米麹を混ぜた米味噌は米麹を混ぜる比率により仙台味噌や京都の白味噌などになります。米麹を少なくすると八丁味噌のように黒味を帯びる豆味噌となります。麦麹を入れた九州のそば味噌も有名です。すり鉢ですり下ろす前の荒い豆や野菜、麦などを粒状に残したものが「なめ味噌」であり和歌山湯浅の金山寺味噌もこの類です。今日の日本の醤油は小麦に麹をつけて塩水を加えて発酵させたものを搾ったものです。

味噌は立派な保存食で魚の獲れる海から遠い山国の冬の保存食として、或いは戦時の兵糧として利用され、又民衆の毎日の栄養補助剤としての味噌汁や味噌煮物などに活用されてきました。

池波正太郎の鬼平犯科帳によく酒の肴として登場する「なめろう」は鯵などの小魚のタタキと葱,生姜などを味噌と混ぜて練ったものでなかなか乙なものです。
しかし食べ過ぎると塩分の摂りすぎとなることは自明の理で味噌汁一杯に1.5g~2.0gの塩が含まれているし、醤油は小さじ1杯に1gの塩が含まれています。

本院の患者さんで夏場は血圧120/80位にコントロール出来ていた方が、11月から冬の間は150/90前後になる方が多い。詳細は明らかではないが3g前後の塩分が夏場に出す汗や多量に飲む水分による排尿などで体外へ捨てられるのではないかと考えられます。つまり、服薬中でほどほどの食生活を送っておられる方は2~3gの塩を控えることにより150/90前後を120/80まで下げることは可能ではないかと考えています。

わずかとは考えずにほんの少しの努力と考えて頑張って頂きたい。

味噌の話から高血圧の話に持ち込んでいささか「手前味噌」の感じは否めませんが、日本の伝統食の中に「脳卒中の国」日本の姿が見え隠れするのも事実です。

医食同源(1)塩と高血圧について

高血圧の方を診るたびに減塩を勧めている。

「塩分の多い麺類を控えましょう。漬物や練り製品のカマボコ・チクワは控えましょう。醤油やミソは敵ですよ。」と口酸っぱく言うことにしている。皮肉好きな方からみると「何とかの一つ憶え」に聞こえるようだ。なんと思われようと執拗に繰り返そうとこちらは考えて頑張っている。繰り返しこそ最大の記憶術だと割り切ることにしている。
塩分といっても1日何gまで許されるかはっきり解っている訳ではない。医学書には7g/日位が適当かと書いてある。うどんは1杯食べると約5g、ラーメンなら7g。汁を飲むのを控えるとしても1日7gはつらい数字である。

「無塩人類」でしられるアマゾン流域のヤノマモインディアンは、塩をほとんど摂らないので血圧は100以下であるらしい。けれど彼らが長生きとは書いていない。
最近の研究では日本人にもいくら塩を食べても血圧の上らない「食塩感受性のない人」が2割近くはいるらしい。
その方々はうまい和食が(和食は塩が多い)思う存分食べられるので羨ましい限りであるが反面、塩分の濃い食事を続けると胃癌が増加しているかもしれないというデータもある。塩分の濃度が濃いと、胃粘膜上皮粘液を乱すらしい。その結果、ピロリ菌などの影響を受けて発癌機会が増大すると言うのである。いずれにしても塩分制限をしましょうというのが無難なようだ。

残り8割の塩分に感受性のある方は、比較的臓器障害を受けやすい方でもあるということが徐々に解ってきている。アルドステロンというNa+(塩分)を貯留しようとする人間のホルモンと塩分濃度の高い血液の元では心臓の筋肉が肥大し易くいわゆる心肥大を起こし易い。正常の人では夜間3時ごろに血圧が下がる(ディッパー型)のに対し、塩分感受性のある人は夜中血圧が下降せず(Non-dipper)臓器障害を起こし易い。塩分感受性のある方は腎臓で血液を濾過する糸球体という所の圧が高くなり、腎臓を痛め易いようだ…等々、高血圧と塩との関係の解析も進んで来ている。

かの貝原益軒も「養生訓」の中で「凡て(すべて)の食、淡薄(白)なる物を好むべし。肥濃油膩(濃く油っこいもの)の物、多く食ふべからず。生冷堅硬なる物を禁ずべし」と記している。あまり塩辛い物は控えるに限る訳である。

最後に、一口に塩と言っても、塩化ナトリウムのみではない。塩化カリウムも塩化マグネシウムも全て含む自然塩を食べたいものである。
塩化ナトリウムのみの合成塩は安けれど、味気ない。

話はかわるが、塩に税金を掛け、インド人民を管理したイギリスに対し、無抵抗塩行進を続け、ダンディーの浜で塩クラストを拾ったモハンダス・ガンディーの写真を見ながらインド独立の礎を築いたガンディーの塩に対する思いをしのぶことも大切とは考えております。
決して塩をおろそかにしてはおりません。

はたして医療はよくなったのでしょうか

医療改革が声高に叫ばれて数年を経ましたが、はたして医療は良くなったのでしょうか。

介護保険が施行されて、家族内で老人を看取りたいという意見は7割から3割に後退したようです。

忙しい・手が足りない・お金が無いなどで介護から遠ざかる発想は人の心まで都合により曲げてしまう現代人の御都合主義が前面に出てきた世相のあらわれで、合理主義・物質主義が社会を豊かに出来るのか、もう気付く時期に来ているのではないでしょうか。

医療現場の様変わりを感じる今日この頃です。

口腔内の衛生管理について

歯や歯周組織への影響を「義歯の清掃不良」という観点でみてきましたが、口腔内で発症する疾患には、稀なものからよく起こるものまで多くの種類があります。実は、義歯の清掃不良で起こることは、歯周病だけではありません。

カビの一種「カンジダ菌」

口腔内の常在菌には、「カンジダ・アルビカンス」というカビの一種(真菌)が存在し、これが義歯に付着することがあります。
菌は義歯や歯の周りで増殖して、周囲の歯肉や粘膜へと入り込んでいきます。ある論文では、歯周病との関連性を示唆する症状にも寄与しているそうです。

主な症状

特徴的な症状としては、口の両方の角が荒れたり切れたりして(いわゆる「あくち」のような口角炎の状態)、口が開きにくくなり食事に影響することもあります。
寝たきりなどで免疫力が下がっている方によく見られる傾向がありますが、栄養状態の改善と十分な衛生管理を行えば、一般的には大きな問題にはなりません。

検査と治療

カンジダ菌の検査は、医科・歯科のどちらでも、保険適用で検査が可能です。
細菌検査で菌の量を判別できますので、気になる症状がある方は、一度主治医の先生にご相談してみてもよいでしょう。
もし口腔カンジダ症と診断されても、口腔内に塗るペースト状の治療薬がございますので、過度な心配はいりません。(ただし、薬の味はかなりまずく、口の中もべたべたするため、治療中の使い心地はあまり良くありません…。)
カンジダ症は口以外の場所で起こるイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、予防法は同じです。丁寧な口腔ケアや義歯ケアで十分に対策できますので、日々の健康維持とともに心がけましょう。

最後に

義歯のケアって面倒ですよね。
いろんな問題が起こりやすいので、私たちも安易に歯を抜くお話はできません。しかし「義歯になったら歯ブラシしなくてもいい」とおっしゃる高齢の男性患者様が多いのを、実際の現場でよく目の当たりにします。改めてご自身の口の状況をよく観察して、今後の人生のためにも、ご自身で体を守ってほしいと常々感じております。

次回はさらに、粘膜の疾患などをお話ししていく予定です。

義歯の衛生環境

歯がなくても、口の中は細菌でいっぱいです。舌の上、頬の内側、歯ぐき、さらには義歯の裏側など、あらゆる粘膜面に歯周病の原因菌が存在しています。この細菌は24~48時間で元の数に戻るため、毎日のケアが欠かせません。放置すれば、歯肉や顎の骨(歯槽骨)に炎症が広がり、歯周病が進行します。

義歯のケア

専用ブラシと水で洗う

歯磨き粉は使用しないでください。研磨剤が義歯表面を傷つけ、細菌がたまりやすくなります。
泡立ちの強い製品(発泡剤入り)も粘膜に刺激を与える場合があるため、成分表示を確認しましょう。

洗浄剤を使う場合の注意

「つけ置きタイプ」は便利ですが、成分が強すぎるものもあります。使用後は必ず流水で十分にすすぐことが大切です。
汚れを放置すると歯石のように硬くなり、専用器具でしか除去できなくなります。

義歯を支える口腔内のケア

歯がなくても、口腔内の清掃は必要です。
舌・頬・口蓋(上あご)・顎堤(義歯がのる歯ぐき)をガーゼやスポンジブラシでやさしく拭き取ってください。
拭き取り後は、専用の洗口液でうがいをして仕上げましょう。

この日々の積み重ねが、口臭・歯周病・誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

口腔機能の改善策(義歯)

10月8日は「入れ歯の日」とされています。日々あまり注目されることの少ない歯科治療の中でも、この機会に「義歯(入れ歯)」について考えてみましょう。
最近は嚥下機能(飲み込む力)に関する話題を続けていますが、義歯もまた口腔機能を改善する一つの大切な手段です。

歯を失う主な原因

  • 歯周病によって歯を支える骨が溶けてしまう。
  • 虫歯が進行し、歯が崩壊・感染してしまう。
  • 噛む力のコントロール不良により、自分の歯を割ってしまう。

実際には、自然に抜けるよりも歯科医院での抜歯によって歯を失うケースが多いのが現状です。
歯が抜けた部分を放置しておくと、周囲の歯がその隙間を埋めようと動き始めます。これによってかみ合わせ(咬合)が少しずつ変化し、顎の位置もずれていくのです。
かみ合わせが悪くなると、顎が前後左右にズレやすくなり、結果として顎関節が不安定になって舌の動きにも影響することがあります。
実は「飲み込む」動作には、一定の顎位(顎の位置)とかみ合わせの高さが必要なのです。

義歯がもたらす役割

歯がなくなった部分に義歯を装着することで、かみ合わせを回復し、飲み込みやすい顎位に戻すことができます。
この「入れ歯の高さ」を決める作業は非常に繊細です。型取りだけでなく、顔貌の写真を撮って顔全体とのバランスを実寸で確認しながら進めます。男女差や人種差も、わずかながら影響します。

義歯と口腔機能の関係

義歯を持っていても、今の口腔機能と義歯の形が合っていないまま使い続けていると、不快感やかみ合わせの乱れが起こります。
場合によっては、以下のような対応が必要になることもあります。

  • 義歯のかみ合わせ治療
  • 義歯の大規模な修理
  • 口蓋部(上あごの内側)に特殊な部品を取り付けるなど

義歯の調整や新しく製作を行う前には、まず口腔内の状態が義歯装着に適しているかを丁寧に診査することが大切です。
診査を怠ると、どれだけ調整しても合わず、結局使えない入れ歯になってしまうこともあります。
不快感があるときは我慢せず、主治医にきちんと相談することが最も大切です。

顎関節症がもたらす口腔内の症状について

私たちのあごは、体の中でも少し特殊なつくりをしています。
上あごと下あごは骨で直接つながっているわけではなく、筋肉や靭帯によって吊り下げられるように支えられています。下あごはおよそ1kgほどの重さがあり、常に筋肉で支えられているため、ちょっとしたクセや不自然な動きが積み重なると正しい位置からずれやすいのです。

顎関節症を引き起こしやすい習慣

  • 片側だけで噛む
  • 歯ぎしりや強い食いしばり
  • 頬杖をつく姿勢
  • 偏った食習慣(やわらかい物ばかり食べる 等)

こうした日常の小さなクセが長く続くと、顎の動きや発達に影響し、歯並びやかみ合わせの乱れにつながります。

顎関節症によって起こる口腔内の変化

  • 口の周りの筋肉が緊張・硬直し、自然な舌の使い方ができなくなる
  • 嚥下(飲み込み)の動作がぎこちなくなり、食べにくさが出てくる
  • 食欲低下や食への関心の減少につながり、心理的な不調を引き起こすこともある

舌や顎の発達が十分でないと「口腔機能発達不全」と呼ばれる状態になり、保険での検査・治療の対象にもなります。保育園や幼稚園の時期から早めに気づき、継続的に対応していくことが将来の健康につながります。

顎のずれは首や肩の筋肉・腱にも負担をかけ、血管や神経を圧迫することがあります。これが続くと脳への血流不足を招き、集中力の低下や将来的な認知機能への影響にも関係すると言われています。

まとめ

顎関節症は、単なる「あごの痛み」や「口が開けにくい」といった症状にとどまりません。
口腔内の機能低下から、姿勢・筋肉・血流・神経にまで影響が広がり、全身の健康にも関わってきます。
日常の小さなクセや姿勢を見直し、早期の発見と対応を心がけることが大切です。

嚥下機能低下が起こってくる状況

「むせやすい」「飲み込みに時間がかかる」
こうした変化は嚥下(えんげ:飲み込む力)の低下のサインです。近年では「口腔機能低下症」として保険診療で診断できるようになり、多くの歯科診療所で対応が進んでいます。

嚥下低下が起こる背景

口や顔のまわりは、頭頚部の中でも特に多くの筋肉が交差しながら働く部位です。舌や咀嚼に関わる筋肉は意識して動かせる「随意筋」が多く、普段からしっかり動かしていないと、筋肉が硬くなったり使われなくなったりして、自然と嚥下機能が弱っていきます。

嚥下機能が低下すると「むせ」が起こりやすくなります。これは咳反射という防御反応で、食べ物や飲み物が気管に入らないよう体が自動的に働くものです。しかし舌の動きや咀嚼の不十分さなど、口腔内の機能低下が背景にあることが少なくありません。

飲み込む仕組み

食べ物が口から胃へ届くまでには、

  1. 歯と舌でかみ砕き、食塊(しょっかい)をつくる
  2. 舌が後方に送り込み、咽頭へ運ぶ
  3. 喉頭蓋(こうとうがい)が気管を閉じ、同時に食道が開いて食塊が流れる

という流れがあります。

実はこの「飲み込む瞬間」はわずか0.5秒程度。とても短いですが、体は自動的に正確なタイミングで働いています。
イメージとしては、駅の自動改札に切符を通すときの一瞬の動きに近いでしょう。通過は一瞬でも、その裏で複雑な仕組みが正確に働いているのです。

改善・予防のためにできること

嚥下そのものを直接強めることは難しい面がありますが、

  • 開口トレーニング(口を大きく開ける練習)
  • 舌の可動域を広げる運動
  • 発声・発語訓練
  • 顔まわりや首の筋肉のマッサージ

などで血流を良くし、筋肉の働きを活性化することは可能です。日常的に口や舌をしっかり動かすことが、嚥下機能を守る大切なポイントです。

次回は、嚥下機能とも深い関わりのある「顎関節」の問題について解説していきます。

飲み込みにくさから始まる誤嚥と、その先に起こりやすい病気

飲み込む力は、なんと中年期(40代)から衰え始めます。口腔内外の筋肉や頭頚部付近の筋力の低下、および筋肉へ指令を出す神経組織の衰え、さらには神経の難病などによって、誤嚥やそれに伴う症状が顕著に現れる方もいます。

しかし基本的には、年齢が上がる(経年的変化・劣化をする)ことで誰でも起こりやすくなります。また、年齢が上がるとむせる、つまりは咳反射も機能低下するため、気付かないまま誤嚥をすること(=不顕性誤嚥という)もあります。これが危険です。

誤嚥を繰り返す方は、かむ力や飲み込み機能だけでなく、全身の機能も低下している(=喉がごろごろしているなどが顕著な日常の症状)ので、口腔内の不衛生も重なり、誤嚥した唾液などに付着した細菌などが肺に侵入し、肺炎の発症にも関連しやすい(=不顕性誤嚥による誤嚥性肺炎)ことが詳細な病気の経緯となります。

高齢の方で、急性症状(発熱や咳)以外にも、呼吸が浅く速い、元気がないといった変化が見られる場合は、誤嚥性肺炎の可能性があります。日常生活での早期の気づきが重要であり、できるだけ早めに医療機関との連携を始めた方がよいでしょう。

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