

歯がなくても、口の中は細菌でいっぱいです。舌の上、頬の内側、歯ぐき、さらには義歯の裏側など、あらゆる粘膜面に歯周病の原因菌が存在しています。この細菌は24~48時間で元の数に戻るため、毎日のケアが欠かせません。放置すれば、歯肉や顎の骨(歯槽骨)に炎症が広がり、歯周病が進行します。
歯磨き粉は使用しないでください。研磨剤が義歯表面を傷つけ、細菌がたまりやすくなります。
泡立ちの強い製品(発泡剤入り)も粘膜に刺激を与える場合があるため、成分表示を確認しましょう。
「つけ置きタイプ」は便利ですが、成分が強すぎるものもあります。使用後は必ず流水で十分にすすぐことが大切です。
汚れを放置すると歯石のように硬くなり、専用器具でしか除去できなくなります。
歯がなくても、口腔内の清掃は必要です。
舌・頬・口蓋(上あご)・顎堤(義歯がのる歯ぐき)をガーゼやスポンジブラシでやさしく拭き取ってください。
拭き取り後は、専用の洗口液でうがいをして仕上げましょう。
この日々の積み重ねが、口臭・歯周病・誤嚥性肺炎の予防にもつながります。