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顎関節症がもたらす口腔内の症状について

私たちのあごは、体の中でも少し特殊なつくりをしています。
上あごと下あごは骨で直接つながっているわけではなく、筋肉や靭帯によって吊り下げられるように支えられています。下あごはおよそ1kgほどの重さがあり、常に筋肉で支えられているため、ちょっとしたクセや不自然な動きが積み重なると正しい位置からずれやすいのです。

顎関節症を引き起こしやすい習慣

  • 片側だけで噛む
  • 歯ぎしりや強い食いしばり
  • 頬杖をつく姿勢
  • 偏った食習慣(やわらかい物ばかり食べる 等)

こうした日常の小さなクセが長く続くと、顎の動きや発達に影響し、歯並びやかみ合わせの乱れにつながります。

顎関節症によって起こる口腔内の変化

  • 口の周りの筋肉が緊張・硬直し、自然な舌の使い方ができなくなる
  • 嚥下(飲み込み)の動作がぎこちなくなり、食べにくさが出てくる
  • 食欲低下や食への関心の減少につながり、心理的な不調を引き起こすこともある

舌や顎の発達が十分でないと「口腔機能発達不全」と呼ばれる状態になり、保険での検査・治療の対象にもなります。保育園や幼稚園の時期から早めに気づき、継続的に対応していくことが将来の健康につながります。

顎のずれは首や肩の筋肉・腱にも負担をかけ、血管や神経を圧迫することがあります。これが続くと脳への血流不足を招き、集中力の低下や将来的な認知機能への影響にも関係すると言われています。

まとめ

顎関節症は、単なる「あごの痛み」や「口が開けにくい」といった症状にとどまりません。
口腔内の機能低下から、姿勢・筋肉・血流・神経にまで影響が広がり、全身の健康にも関わってきます。
日常の小さなクセや姿勢を見直し、早期の発見と対応を心がけることが大切です。

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