食べることは、万人共通の喜びの一つだと考えられますが、様々な理由で、この行為で苦痛を感じている方もおられることもまた事実でしょう。
皆さんの食事を、少しでも喜びに変えられる食べ物ってあるのでしょうか?
嚥下食、嚥下補助食というものがあります。飲み込みをサポートする成分が含まれており、飲み込む際に気管支(肺の方)へ入り込む誤嚥が起こりにくくなります。
※誤嚥は全身状態の悪化や日常生活への支障をもたらします。特に高齢者や嚥下機能が低下した方では、症状が目立ちにくいまま進行することもあります。
具体的には「とろみ」をつけるもの、片栗粉やくず粉、小麦粉などがそうです。
またゼリー状にするものや寒天、ゼラチンなども含みます。
でも、こんなお話だと、プリンやゼリーばかり食べろってことか、とのご指摘も出ますよね。
では、我々の医院が日々模索している食事指導とは、
食材をとにかく柔らかくなるまで調理する
大きさはそのまま柔らかく。舌でもつぶせるようなものにする。
ミキサーやフードカッター、裏ごし器も活用して食材の均一化を図る
食材が均一化されると口の中でまとまりやすくなり、飲み込みやすくなる。
味を際立たせすぎる、酸味などは抑える
素材の味を引き立たせる。酸味はむせやすくなるので控えめが良い。
食事提供時の温度管理を可能な限り料理ごとに変える
冷たいものは冷たい状態で、温かいものは温かい状態でできる限り提供する。
食事は五感を使ってするものですからその感覚を使ってもらえるようにサポートする
一例は、日本人は先祖より、だしの香りや味をうまみと感じることができます。
もともと持っている人間の感覚を思い起こしてもらうと、皆さんの食卓にもいままでとは違う彩りが追加されるのではないでしょうか。